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2003年11月 ソンドウ・ミリウ物語 第4話 現場の守り神の住む大樹 | |||||||||||
ソンドウ/ミリウ水力発電所工事では、現場で働いている日本人達がその存 在を誇りにしまた大事にしている大樹があります。それは1999年に国道の 付け替え工事の計画路線上に在った直径2.5mはある日本の祠を持った ような大樹を、路線を変更して切り倒さずに大事に守ったことです。 この大樹は道路勾配が急すぎ、既設の橋が狭すぎるので工事の一環とし て国道の改修を行うものでした。路線測量の結果道路がこの樹に掛かるこ とが分かり、周りにある樹の中でも特に大きい樹で根が大きく張り、堂々とし た樹を切らない工夫をすることになりました。 樹は道路の路肩にあったので3m位道路の中心を動かして、大樹を守るこ とにしました。そのために硬岩の掘削が必要になりましたが、大樹は元のま ま残せることになりました。 いつもこの大樹の近くを通るたびに樹を残して良かっとしみじみと思いなが らこの樹を見ています。そして視察や見学に来られるお客さんに、この大 樹 を切らなかったので大樹が工事関係者を見守り、現場では大事故が発生 せず、ニアミスで済んでいたと話しています。 村の人達はあまり大樹を残したことに関心はないようだと話して、また柵を したり由来を書いた立て札を立てると無くなるとも話していました。 しかし最近住民から聞いた話では、この大樹はN'gown ヌオウンという名前で地元では大切にされてきた樹で、この樹を切ることは 禁じられていました。地元のサブチーフと呼ばれる行政末端の村役人に許 可を貰って樹を切っていたそうです。しかし、最近は地元の貧困のせいか 薪にするために勝手に切り始めているいるそうです。昔はどこにでも大樹 が在ったそうですが、今では見られなくなってきているそうです。 日本でもケニアでも、どこの国でも大樹は大切にされていました。それが分 り道路のそばの大樹をソンドウ/ミリウ水力事業の森林保護のシンボルとし て、さらに緑化運動を推進しようと考えています。 続く (ケニア電力会社では毎年3万本の種苗を育て住民へ寄付したり工事現 場後に植え地域の緑化を行っています。) |