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若田部 緑 ちゃんのルオーランド旅行記
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若田部 緑(ナイロビ日本人学校5年生)
キスム旅行記(夏休み)

2001年8月3日

キスムまで

キスムにある日本工営のソンドゥ・ミリウ事務所まで車で行きました 。ナイロビを10時に出発する予定でしたが、11時になっても会社 から迎えの車が来ないので、やっぱり行けなくなったのかなと思い ながらテレビを見ていると、もうスピードで車が家の前に着き、おか あさんが走って車からおりてきて、「急げ、急げ。」と、私と純君に言 いました。急ぐのは私たちじゃなくておかあさんと思ったけど、いつ ものように私たちが怒られた。

出発が遅かったから、ナクルに着く前にお腹がすいてたまらなかっ た。でも一番すいていたのは、会社で働いているはま田さんという 東京から来た人だったようで、クンステホテルでチップスとソーセー ジそして家から持ってきたおにぎりを食べて、次の目的地ケリチョ ーに向いました。

いやになってしまうほど草原の中を走ると大きな木がたくさん見え 始めました。ケリチョーまでもうすぐです。ケリチョーでは、お茶畑が 広がっていました。一つの丘をすぎてもお茶畑、また丘をすぎても お茶畑、またまた丘をすぎてもお茶畑で私はどこまでこのお茶畑は 続くのだろうかと思っていると、ティーホテルに着きました。そこで、 お茶を飲みました。いつもコーヒーばかり飲んでいるお母さんや黒 田先生たちもティーを飲みました。ポットの中に紅茶の葉っぱが浮 かんでいます。飲むとほっとする味でした。私はたっぷりミルクをい れて2はいのみました。

あと、もう少しがんばればキスムです。ビクトリア湖にそって走って いると、まずトンネルが見えてきました。キスムのソンドゥという所で 働いている日本工営の人たちがあのトンネルを作っている山の下 にある事務所で待っているはずです。

ソンドゥ事務所で

小さなマーケットを左に曲がると、教会、学校、図書館が見えてきま した。ピンクと紫のはではでな建物が見えました。ナイロビから7時 間かかってようやく着きました。ナイロビより暑かったので、すぐ日 本工営の事務所へ入って行き迫田さんに会いました。

クーラーがかかっていたけれど、あまりきいていなくて冷たいソーダ が一番おいしかった。私たちは、明日どこへ行くか決めました。決 まった所は、ルシンガ島とカバのいる所です。純君は現場に行きた そうでした。私はどこでもいいと思っていました。

夜7時、クラブハウスで岡村さんと本山さん、2人のイギリス人の人 に会いました。ベランダで皆でご飯を食べている時、私は、本山さ んの名前を知らなかったので、「あなたの名前は何ですか。」と、聞 きました。本山さんが、「パブロ」と言ったので、日本語が上手な外 国人だったんだと思ってしまいました。

でも、私は、どうしても「パウロ」とか「ポウル」になってしまい、口をも ごもごやっていたら、迫田さんが、「パブロンって覚えておけ」と、言 ったので教会じゃなくて薬屋さんでつけた名前みたいけど、パブロ ンと覚えておくことにしました。

8月4日

ルシンガ島

ルシンガ島は、ビクトリア湖の中にある島です。ルシンガ島に行くと 中、ホテイアオイがたくさんありました。ホテイアオイの花は、むらさ き色で花の周りにちょうちょや鳥がいっぱい飛んでいました。ホテイ アオイはみんなからいやがられているけれど花だけはかわいいな と思いました。お母さんがホテイアオイを2つ持ってきました。1つは 純君の標本作りのため、もう1つは、家で育てるためです。

島に着くとお母さんが、町の人に「タンボヤの学校はどこにあるの。 」と、聞いていました。私は、タンボヤって田んぼを売る人かなと思 いました。学校の前に来て、かん板を見たら、トムボイアと書いてあ りました。私は、タンボヤじゃなかったんだと思いました。

次に、トムボイアの生まれた家とお墓に行きました。お墓には、トム ボイアは、1930年に生まれて、1963年に死んだと書いてありまし た。トムボイアは39年しか生きることが出来なかったのです。

ケニアがイギリスの植民地だった時、イギリス人は、ケニア人を安い お金で働かせていたので、トムボイアは、イギリス人に「それは、不 公平じゃないか。」と言っていたので、多くのケニア人に人気があっ た。トムボイアはケニアッタ大統領より人気があったので、大統領の 部下に鉄ぽうでどーんとうたれて死んでしまったそうです。

お昼ご飯を食べるところを探したのですが、ルシンガ島の中には 食べる所がなかったので、イシペまでもどる事にしました。昨日も今 日もお昼ご飯のタイミングが非常に悪いです。

ルシンガ島は、人が歩くのはいいのですが、道のまん中が大きな 穴ぼこだらけで車が今にも横だおしになりそうでとてもこわかった です。イシペに着くのに1時間以上もかかってしまい、お昼ご飯は どうでもよくなってしまいました。

イシぺ(昆虫研究所)

お昼ご飯の時間がとっくに過ぎてしまったので、キャンティーンに 行っても何もなかった。でも、チップスとソーセージを無理やり作っ てもらうことにしました。待っている間、ビリヤードをやったり、イシペ の中を見たりしてぶらぶらしていました。ようやくご飯が出来て、み んなで席につくと、ドライバーさんがいないことに気がつきました。 純君が探しにいったら車が一台ないという事で、ドライバーさんは 、待ちくたびれてどっかに食べに行ってしまったとのだと思い、ドラ イバーさんの分も全部食べてしまった後で、ドライバーさんが戻っ てきました。

私たちは、困ってしまいみんなで「もう、入れてしまったものは戻ら ない。」と、言っていたら、本山さんがお金をわたして、「これで、何 か買って来い。どこに行っていたのだ。」と言いましたが、ドライバ ーさん達は、「カイコを見にいってきた。時間がないからお昼はい い。」と言いました。すると、お母さんが、「私たちもカイコを見に行 こう。」と、言ってのでドライバーさんのお昼はぬきで、カイコを見に 行くことにしました。

広い空き地にカイコがいっぱいおいてありました。家の中に入ると、 カイコを育てるたながありました。たなの中にはくわの葉がしいてあ り、ガやマユを見つけることができました。でもカイコがいないので 。葉っぱをひっくりかえしたりしてみました。そしたら、何か白い物が 動いています。「カイコ見つけた!」と、私は叫んだのですが、それ は、ガとガが交尾しているものでした。

カイコ探しは、あきらめました。ボールの中で、ガを交尾させていま した。交尾できないオスが、たまごを産んでいるメスにむりやり交尾 しようとしたら、オスの上にたまごが落ちてしまいました。このたまご は成長するのかなと心配になりました。メスは、緑色のたまごを上手 に同じかんかくで一個づつ、横にならぶように産んでいきます。ワ ーカーさんがマユを持ってきて、そのマユを切ってくれました。する とその中に探していたカイコがいました。

カイコ見学が長くなってしまい、カバを見る所まで日がくれる前に着 くことが出来ず、まっすぐ宿舎に帰りました。

8月5日

ソンドゥ・ミリウ工事現場

昨日の夜、ご飯を食べている時、純君が迫田さんにトンネルとかダ イナマイトの話ばかりしていました。そしたら、迫田さんが、「本山さ んに自分でたのめ!。」と、言っていました。純君が本山さんにた のんだとは思わないけど、朝、7時半に朝ご飯を食べている時、迫 田さんが、「本山さんが、朝4時に起きて爆破の準備をしているか ら、これから現場に行く。」と、言いました。

今日は日曜日です。現場に着くまで信じられませんでした。でも、 現場に着くともうダイナマイトの準備がしてありました。トンネルの中 に4人の人が入って行ったので、もうすぐだと思い、穴の方をじっと 見ていましたが、なかなかばくはしないので、お母さんと話し始め たら、ドドッドーと音がして、地面がゆれました。みんなかたをビクッ とさせ、フーッとかたをおろしました。ローニー君の妹のメルシャは 、お母さんにしがみついていました。

穴からばく風が勢いよく吹き出てきて、なまあったかい風とほこりの ようなにおいがしました。トンネルの中は、もっとにおいが強くてア ンモニアのようなにおいがするそうです。トンネルの中に通してある かんき用のじゃばらがすごい音で動き始めました。くさい、うるさい 。私は、経験できてうれしかったけど、これが毎日じゃ大変だなー と思いました。でも、ヘルメットをかぶるとなんとなくかっこよく見える し、そこにいるって感じがするからふしぎだ。

トンネルはかんつうしていないと、男子しか入れないそうなので、残 念だけど取水せきの方に行きました。取水せきのそばの木で作っ た橋をまず渡りました。橋の下を見るとゴーゴーと音をたてて水が 勢いよく流れていて体が吸い込まれそうでした。橋をわたると大き な池がありました。工事で使ったよごれた水をためて、薬で水をき れいにした後、川に水をもどすための池でした。迫田さんが、「これ も、環境にやさしい事の1つだよ。」と、教えてくれました。

取水せきの所で純君たちと合流して女子も入れるトンネルに行きま した。トンネルの中に入るとおおきな上に向かったの穴がありました 。その穴は、電気を起こさない時に、下で水の流れを止めるために ゲートをしめると、流れていた水が逆流するのでこの穴に逆流水が 上がって行くように作られたそうです。穴の高さは40mだそうです 。本当に水を流して、下のゲートをしめる時、みんなこの高さでた いじょうぶと思っていても、とても緊張するそうです。

日本のかまど

工事現場の近くに住むおばさんの家に行きました。おばさんは、 山から木を切ると近くの山がもっとはげ山になるから、木をあまり使 わない日本式のかまどが作りたいので、黒田先生がお手伝いする ことになっていました。今日は、その打ち合せと下見です。黒田先 生が、「かまどにするのにとてもいい土が近くにあるので、りっぱな ものが出来る。」と、言うと、おばさんは、とてもうれしいそうで、「い つ作るのか。」と、その日を決めたがっていました。でも、返事は「あ とで。」でした。

夏 終わり



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